2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

文章力は人生を支えるスキル

私の人生を支えているスキルは、文章力と実行力だと思う。中でも、文章力にはよく助けられている。達人ではないけど、書く作業を楽しめるだけの文章力はある。この文章力のおかげで、論文をしっかり書けるし、申請書の説得力が高いし、本を書いたりエッセイ…

論理的な文章を書くための2つの原則

「論理的な文章とはどんな文章か」について明快に解説した本は、私が知る限りない。そこで、「論理的な文章とはどんな文章か」について、私の考えを書いてみる。 古賀史健著『20歳の自分に受けさせたい文章講義』には、論理破綻の例として以下の文章があげ…

『理科系の作文技術』の文章は読みにくい

段落の最初には、トピック・センテンスを置き、段落の最初の一文だけを飛ばし読みすれば、論理が追えるように書くべし。これは、私が『理科系の作文技術』(木下是雄著、中公新書)から学んだ文章作法です。しかし、本書を38年ぶりに読み返してみて、驚き…

瞬読書評『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(山田ズーニー)

人に薦められる文章作法の本に、やっとめぐりあった。 山田ズーニー著『伝わる・揺さぶる!文章を書く』 プロローグで、高校生の作文の、改訂前と改訂後が紹介されている。 改訂前「私が切実に受け止めることと言ったら、自分の将来についてです。ひとまず私…

「大学生に読んでほしいレポート」をさらに改訂してみた

先日紹介した新田さんのレポートはとてもよく書けていますが、大学生の授業レポートとしては課題もあります。そこで、「レポートの書き方」の注意点を解説するための実例として、改訂版を用意しました。 「遠くからはこんもりと緑色にしか見えない森林だが、…

文章が苦手な大学生に読んでほしいレポート

大学教員を長年つとめて残念に思うのは、多くの大学生のレポートが雑なことです。 「マルハナバチの写真がかわいかったです。キャンパス内にいるそうなので、探してみたいと思います。」 あのね、感想文を書いてほしいんじゃないんだよ。講義で学んだことに…

『バズる文章教室』書評その2 多様性って要約できないんですよ

文体って、こんなにも多様なんだ! 「バズるつかみ」の7例に続いて、「バズる文体」には、なんと16もの文例が紹介されています。ダンスを踊るように書く(村上春樹の音感力)、ドリーインしたりズームインしたりして撮影するように書く(司馬遼太郎の撮影力…

『バズる文章教室』書評その1:垂らされた釣り糸にひっかかった話

読んで楽しい文章には法則があるのだ、と著者はプロローグで宣言しています。この本は、著者が「面白いじゃん」と思った文章をとりあげて、なぜその文章が面白いのかについて考え、法則化した本です。 「バズるつかみ」「バズる文体」「バズる組み立て」「バ…

『バズる文章教室』のぐうの音も出ない一言

「上から目線の文章は、読み手に絶対バレちゃうから。」 たしかに。たしかにおっしゃる通りです。わかっているつもりで、そうならないように努力していたつもりで、努力が足りませんでした。ごめん。 「昨今の地球温暖化に関する議論は・・・(注:これ、私…

『バズる文章教室』ゲット

とりあげられている文章のメニューはきっと48だと予想して数えてみたら、何度数えても49あります。AKBファンを公言している三宅さんの本だから、きっと48あると思っていたら、予想を裏切られました。でも一つ違いだから、きっと48を意識していましたよね。 …

「理科系の作文技術2.0」を書いてみたい

屋久島滞在中も、帰路も、「Decision Science for Future Earth」というタイトルの総説の英文原稿を書き続けています。この総説は、地球環境問題を含む人間社会の諸問題の解決において、人間の意思決定に関する自然科学・社会科学を統合した科学(Decision S…

「花はなぜ美しいか」という文章の書き出しを考えてみた

ヤマザクラ、フジ、アジサイ、ネムノキ・・・。四季を通じて、色とりどりの花が咲き続ける。この花のリレーの舞台裏で、花と昆虫の密かなバトルが繰り広げられていることを、多くの人は知らない。 三宅香帆さんの新刊『バズる文章教室』の販促企画として、「…

センスメイキングを明識化と訳そう

週末2日かけて、"Decision Science for Future Earth"という2年がかりで書いている論文の新しいパートを書こうとしましたが、頭の中のもやもやが晴れず、文章化はほとんど進まないままに終わってしまいました。Future Earthプロジェクトの最終報告書を月末に…

三宅香帆さんの『バズる文章教室』

三宅香帆さんの『バズる文章教室』、買うかどうか迷っていましたが、「この本も私にとっては文体批評の本だし、でも文体批評ってふつーに書いてるだけじゃ他人に届かないし。そんなわけでこんなポップなタイトルになったのでした。」というご本人のツイート…