「花はなぜ美しいか」という文章の書き出しを考えてみた
ヤマザクラ、フジ、アジサイ、ネムノキ・・・。四季を通じて、色とりどりの花が咲き続ける。この花のリレーの舞台裏で、花と昆虫の密かなバトルが繰り広げられていることを、多くの人は知らない。
三宅香帆さんの新刊『バズる文章教室』の販促企画として、「書き出しだけ大賞」という面白い企画をやっているので、私も3題ほど考えて参戦してみました。やってみてすぐに、最初の一文だけで読者の目をキャッチする文章を、私はあまり書いていないことに気づきました。
私は小説家でもエッセイストでもなく、ファクトで語りたい科学者なので、一文だけでは伝えたいことが伝えきれないんです。導入には、どうしても文章3つはほしい。冒頭の3つの文章は、その一例として書いてみました。キャッチーさは足りないかもしれないけど、花に関心がある読者には、読んでみようと思ってもらえる書んじゃないかな。
三宅香帆さんの新刊『バズる文章教室』が書かれる発端になったのは、
大学院生がアイドルから学んだ「読んでて楽しい文章」を書くためのセブンルール
https://m3myk.hatenablog.com/entry/2018/05/22/222515
という記事のようです。
このセブンルールにのっとって、私の文章を自己評価してみますね。
①書き手の表情がわかりやすいこと
たぶん、わかりやすいと思いますよ。ただし、まじめな表情をしていることが多い。ときどき、熱弁をふるう。たまに、ゲゲゲ、とか言います。
②読み手をひとり決めること
読者はつねに意識していますが、結果として読者層が絞られることも多いですね。
③カメラに抜かれそうなキャッチーな言葉を入れること
控えめです。予算をとるために「決断科学」なんていう言葉を考え出した前科がありますが、基本は控えめ。自然ネタの場合、内容の意外性を軸にしてストーリーを作ることが多いので、カメラに抜かれる勝負どころは、内容の意外性。「花と昆虫の密かなバトル」程度のレトリックは工夫します。
④ありきたりな言葉で隠してないか確認すること
いつも私にしか書けないことを書くように意識してます。科学者はオリジナリティ命。
⑤できるだけ短く書くこと
意識してますが、長くても読んでくれる読者を想定して書くことがしばしば。
⑥自分が書いてて楽しいと思えるものを書くこと
読者に楽しんでほしいときにはもちろんそうしますが、職業柄、批判的なことを書かざるを得ないときもある。そのときは建設的であることを肝に銘じます。
⑦愛があること♡
愛にあふれてます。植物とか、科学への愛ですが。(ももクロ愛があるという説も)
というわけで、結局、自分の流儀で書いていく以外に、道はなさそうです。