ナガバギシギシにつくアブラムシは敵か味方か?

f:id:yahara:20190516213208j:plain伊都キャンパス生物多様性保全ゾーンの道端にはナガバギシギシの群生があるのだが、どの株にも写真のようにたくさんのアブラムシ(たぶんギシギシアブラムシ)が付いている。ナガバギシギシの師管液を吸っているから、ナガバギシギシにとっては食害者、つまり敵に見える。しかし、このアブラムシの甘露を狙ってたくさんのアリが随伴している。アリ(種名不詳)は、少なくともアブラムシの天敵であるテントウムシ(たぶんナナホシテントウムシ)を追い払っている。下の写真は、アリによるテントウムシの撃退シーンだ。

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ここから先は想像だが、ナガバギシギシの茎や葉を食害する蛾の幼虫なども撃退しているのではないか? もしそうなら、アブラムシはナガバギシギシにとってはむしろ味方かもしれない。

さらに想像を逞しくすると、スイバはアントシアニンやシュウ酸でアブラムシを含む食害者に対して防御している(だから赤くて酸っぱい)。しかしナガバギシギシはアリによる防御をしているので、アントシアニンやシュウ酸を作らないのではないか?

検証する価値のある仮説だと思うので、誰かぜひ調べてほしい。

なお、ナガバギシギシは外来種だが、ギシギシアブラムシは在来種で、在来植物のギシギシにも付く。おそらくギシギシと共進化したのだろう。