スイバの謎

f:id:yahara:20190515213601j:plainスイバの果実の拡大写真です(Instagramにもポストしました)。ご覧の通り、ピンク色の縁取りがあって、かなり綺麗です。アントシアニンの赤い色素が作られているのだと思いますが、この色に何の意味があるのでしょうね? おなじ属のギシギシは果実になっても緑色をしており、若い果実が光合成をして炭水化物を稼いでいます。その方が経済的だと思いますが、スイバの果実は緑色のクロロフィルを減らして、アントシアニンを作っています。何かを誘引しているとは考えにくいので、防衛機能の可能性が高いと思いますが、いったい敵は何者でしょうか。

f:id:yahara:20190515213718j:plainスイバにはもうひとつ謎があります。スイバは雌雄異株で、性染色体を持つことで有名です(昔の植物学者には有名でした。今は植物学者でも知らない人が多いかも)。ところが、場所によっては雌株ばかり生えていることがあります。九州大学伊都キャンパスもその例で、あちこちに群生していますが、雌株ばかりです。セイヨウタンポポのように無性生殖で種子を作る倍数体が広がっているのではないかと疑っています。

このように、ごくみじかな植物にも、わからないことがたくさんあります。