伊都キャンパス花だより

f:id:yahara:20190514204314j:plain4月から、伊都キャンパスの植物の写真をiPhoneで撮ってInstagramにポストしています。今日はクスノキコマツヨイグサの2種をポストしました。この季節は花が多く、1日1種では開花中の全種をとてもカバーしきれません。しばらくは2種ずつポストしようかなと考えています。この活動を一年続ければ、400種程度をカバーした植物ガイドが作れます。ハンディ版と豪華版を作ることを考えています。豪華版は九大のお土産として使ってもらえるでしょう。ハンディ版の方は、オリジナルな情報を盛り込んで、植物に詳しい人でも買いたくなる本にする予定。例えばアカオニタビラコとアオオニタビラコの違いや学名については、平凡社の日本の野生植物でも不正確なので、新しい正確な情報を提供する予定。このような付加価値をつければ、全国で買っていただけるでしょう。f:id:yahara:20190514204405j:plainご期待ください。

さて、今日ポストした2種は、どちらも研究してみたい植物です。クスノキは不思議な木で、成長が早く、陽樹的なのに、林冠に達して、かなり大きな木にならないと開花しない。かなり長寿の木で、神社にはよく老木があります。常緑樹とされていますが、葉の寿命は一年で、新葉の展開後に旧葉を落とします。クスノキについては、伊都キャンパスの森林移植地にかなりの個体数があり、過去15年間の成長・生残のデータがあります。森林移植の効果を検証した結果を論文にまとめる予定なので、その中で、クスノキについてもとりあげます。

コマツヨイグサは、北米東部原産の外来種ですが、明治初期にはすでに日本に渡来しており、100年以上の時間をかけて日本の自然環境に適応してきました。北海道から沖縄まで、広く分布しており、適応進化の研究材料としてとても有望。花が大きくて交配しやすいし、自殖も可能。おそらく自殖の程度も地域によって分化している可能性があります。自殖・他殖の進化の研究材料としても有力です。誰か研究しませんか?